はじめに

TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は世界中で受験されている英語運用能力評価テストです。そのうち、TOEFL ITP(Institutional Testing Program)は、ペーパーテスト形式の団体受験テストプログラムであり、アメリカ国内、国外を問わず、世界中の教育機関で利用されています。日本国内では、主に大学のクラス分け、単位認定、留学生選抜試験などに使われています。TOEFL ITPスコアには公的な効力はありませんが、出題内容としては従来のペーパーテスト版TOEFL PBTの問題が再利用されており、英語力を正しく評価する試験のひとつとして知られています。TOEFL ITPの試験内容、構成、スコア評価方法などは、本書の冒頭で概略を説明していますので、すぐに全体像をつかんでいただけるものと思います。

多くの日本人受験者は、TOEFL ITPの受験対策として、文法セクション(Structureand Written Expression)や長文読解セクション(Reading Comprehension)への対策は、何をどのように学習すればよいかをある程度心得ているようです。しかしながら、リスニング・セクション(Listening Comprehension)の対策にはとまどっている人が少なくありません。そこで誕生したのが本書です。本書はTOEFL ITPのリスニング・セクションにおいて、短期間のうちに著しい効果を発揮する受験対策書です。

私たちはまず、多くの時間を割いてTOEFL ITPリスニング・セクションの出題パターンを徹底的に調査・研究することから始め、そのデータに基づいて、正確で綿密な攻略ストラテジーと練習問題の作成に着手しました。実際のTOEFL ITPと同様に、大学生活に密着したさまざまな話題、語彙、設問の形式・ポイント・難易度、トラップとなる誤答選択肢の作り方、収録問題数など、いずれを取ってもこれまでに類を見ないほど高い学習効果をあげるTOEFL ITP受験対策書が完成したことと自負しております。

特に本書では、リスニング・セクションの出題形式をわかりやすく示し、出題傾向と対策、また有効ストラテジーを余すところなく解説しました。かゆいところに手が届く本書の編集方法に、学習者の皆さんはきっと満足してくださるものと確信しています。本書はまさに、「本物」を目指して執筆に精を出した私たちが、TOEFL ITP攻略に真剣に取り組みたい受験者の利益を最大限に考慮して作り上げた「真剣勝負のTOEFL ITP攻略本」です。本書が皆さんのスコアアップ、ならびに英語力アップの一助となることを心より願っています。

末筆ながら、本書を上梓するにあたり、いろいろな方々にたいへんお世話になりました。語研編集部の奥村民夫氏には、企画から校正まで一方ならぬご厚意とご援助を戴きました。この場を借りて、衷心より感謝の意を表したいと思います。

2011年秋
著者
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