はじめに

この『3場面で使いこなす! 日常韓国語会話ネイティブの動詞160』は、3パターンで覚える「ネイティブ」シリーズの第3弾です。今度のこの本では、初級を卒業してさらに上を目指したい中級程度の学習者のために、既成の会話集ではあまり扱っていない使用頻度が高い「ワンランク上」の動詞を160個集め、アトランダムに並べました。

本文では1つの動詞に対して、みなさんがふだん耳にするような3つの別々の場面を設け、「気の利いた会話」「言いたいけれど言えない表現」が、自然な会話文とともに学習できるように工夫しました。食べ物を「好き嫌いする(가리다:p.60)」、目を「こする(비비다:p.124)」、ホウレンソウを「ゆがく(데치다:p.186)」、洗濯物を「取り込む(걷다:p.226)」、朝食を「抜く(거르다:p.252)」、声が「かれる(쉬다:p.290)」、洋服が「しわになる(구기다:p.298)」など、日本語の日常会話ではよく使われていても、韓国語ではとっさに口から出て来ないような動詞がぎっしりと詰まっています。1つの動詞が「こんな場面で使えるんだ」「このような使い方ができるんだ」ということを併せて学んでください。

会話の内容は今までのシリーズ同様に、親子、夫婦、友達同士、恋人同士、先輩と後輩、会社の同僚同士、上司と部下、他人同士など多岐にわたっています。自分で使いこなすことも大切ですが、ああ、ネイティブの人たちは、このように言うんだなということを耳からも学んでください。付属のCDは、専門の韓国人ナレーターさんによってふつうの速度で吹き込まれています。何度も繰り返し聞いて、自分のものにしてください。

繰り返しになりますが、「ちょっとしたひとこと」が韓国人のようにすらすらと言えたり、聞き取ったりすることができるようになるには、何といっても豊富な語彙力が必要です。みなさんも「ただ通じるだけの韓国語」からそろそろ脱皮し、もう少し背伸びをして、韓国語らしさを追求し、ネイティブも驚くような語彙力を吸収してください。

収録された数多くの例文作成に当たっては、韓国語ネイティブ・スピーカーの姜貞龍(강정용)さん、孫榮完(손영완)さん、尹瀅埰(윤형채)さん、羅義圭(라의규)さんほか、何人かの方のお世話になりました。ここにお礼を申し上げます。例文を考える作業はとても骨が折れるものです。せっかくいい例文ができあがったと思っても、よく見ると会話がかみ合わなかったりして、作っては書き直し、書き直しては作りの繰り返しでした。

また、『日常韓国語会話ネイティブの公式』の共著者で、東京・芝公園にあるIMX韓国語学校で韓国語教師の職にある金妍廷(김연정)さん、金玄玉(김현옥)さんには、ネイティブの立場から最終的に細かいチェックをしていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。そして、今回のこの本の制作にあたり細かいところまで気を配ってくださった(株)語研編集部の島袋一郎さんにも心より感謝いたします。

最後になりますが、この本が微力ながら韓国語を勉強なさっているみなさんのお役に立つことができれば、これ以上幸いなことはありません。

2011年 初冬 川崎にて
今井 久美雄
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