はじめに

最近のTOEICでは,Part1から上級者を迷わせる難問が登場し,Part7でも読むべき文章量が多くなっています。900点をすでに持っている方でさえ,最後まで解き終わらないこともあるほどです。本書は,最高点の「990点」を目指す上級者の方のために,毎回のテストで数問出題される「難問」だけを集めたものです。TOEICは回やテストフォームにより,難易度にかなりの差がありますが,いつ受験しても全問正解できる真の英語力を身につけられるよう,「TOEICの範疇を越えないギリギリの難問」を,一問一問究極に追求しています。もちろん,TOEICの最新傾向も随所にちりばめています。本書の問題は,「クオリティ」と「難度」の両方の点で,TOEIC最高レベルです。

「990点満点」を取ること自体には,TOEIC講師を志望されている方を除き,それほど大きな意味はないのかもしれません。それでも,最高点にたどり着く道のりの中で,数多くの意味ある体験をされることと思います。学習のプロセスを楽しみながら,ぜひ問題に臨んでください。本書を,「TOEICを通じて真の英語力を高めたい!」と切望するすべての方にささげます。

本書の執筆にあたり,私のスケジュールに臨機応変に対応してくださった語研の田尻さん,エッセンスの教材の使用を許可してくれた中村紳一郎学校長と Susan Anderton 副学校長,私の完璧主義的な要望にも常に応じてくれたネイティブ講師の Paul,そして,執筆で休みなく働き続けた私を常に支えてくれた家族に,心から感謝します。

2012年7月
加藤 優
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