プロローグ

21世紀に入り,科学技術が数段進歩し,新聞・テレビのニュースでも科学技術の話題が非常に多くなりました。また,sustainable development(持続可能な発展)が重要性を増す中,地球環境を守りつつ経済成長を促すテクノロジー開発の重要性が盛んに叫ばれるようになりました。さらに,さまざまなハイテク商品を自己責任で買う世の中で,それらの説明を理解する必要性がますます高まってきました。そういった社会情勢を反映するかのごとく,英検,TOEFL,IELTS,工業英検などの英語資格検定試験や大学入試でも,サイエンスに関するトピックが増え,英語学習におけるcultural literacy(教養)の重要性が高まりました。

ところが学生時代から理系の勉強をあまりやって来なかった人にとって,サイエンスに関する記事は母国語でもわかりにくく,まして『サイエンティフィック・アメリカン』のような英語雑誌の科学記事は読むのが難しいようです。また,資格検定試験でも,天文学,地質学,生物学などをはじめとするサイエンス関係の読解やリスニング問題は,背景知識不足のためにかなり苦しいようです。

そこで皆さんに効率よく一気に科学技術の知識と語彙を身につけていただくために,7年がかりで本書を作成しました。全部で7章に分かれ,1章はテクノロジー,2章は医学,3章は気象学,4章は地質学,5章は生物学,6章は化学,7章は天文学となっており,各分野の知識と語彙をバイリンガルで身につけるようになっています。まず,各分野の概論の後,重要項目のパッセージと背景知識,各分野の基礎知識に関するQ&Aと知識力UPクイズ,重要タームクイズ,そして最後に分野別語彙クイズとまとめがあり,パッセージとタームクイズはCDの英文を聴いて楽に勉強することができます。その他,おもしろコラム,数学用語英語や,工業英語の極意を学んで日英翻訳練習にチャレンジするという至れり尽くせりの趣向を凝らした内容になっています。

本書の制作にあたり,さまざまなイラストや写真を提供してくださった方々,惜しみない努力をしてくれたASCスタッフの柳原英樹氏(第1章),岩永徹也氏(第2章),山本常芳子氏(第3章&第7章),木本嘉行氏(第4章),田中貴紀氏(第6章),久保信枝氏(編集),田中秀樹氏(校正),米岡エリ氏,横田浩章氏,小島優香氏(執筆協力),および(株)語研編集部の島袋一郎氏には,心から感謝の意を表したいと思います。そして何よりも,我々の努力の結晶である著書を愛読してくださる読者の皆さんには,心からお礼申し上げます。

それでは皆さん,明日に向かってえいの道を,

Let's enjoy the process!(陽は必ず昇る!)

植田一三&上田敏子
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