はじめに

昨今、円安の影響からか外国人観光客が年々増加しており、日本政府観光局の調べによると、訪日外国人は2015年時点で過去最高となったそうです。特に中国では国内外で購買力が年々向上しており、日本でもたびたび中国人観光客の「爆買い」がニュースで採り上げられているほどです。しかし、日本に来る外国人観光客は日本語が話せる人ばかりではありません。外国人に道を聞かれる際は、たいてい相手は英語で聞いてきます。もちろん自国語しか話せない人も大勢います。

日々、外国からのお客様に接しているけれど、言葉が通じずもどかしさを感じている方に向けて、ジェスチャーでは伝えきれない表現など600フレーズを英語、韓国語、中国語で紹介しています。各表現に併記したルビはなるべくネイティブに近い形で付けてありますが、うまく言葉で通じない場合には、文字を指差して伝えるのも有効な手段です。

本書では日本語をそのままそれぞれの言語に直訳するのではなく、その場面にふさわしい自然な言い回しの言葉が入っています。たとえば旅館でお客様を出迎える際に発する言葉である「お待ちしておりました」に対し、英語では Thank you for coming.(お越しいただいきありがとうございます)、中国語では欢迎光临。(いらっしゃいませ)、韓国語では어서 오십시오.(いらっしゃいませ)といったように、各言語とも相手を歓迎する際に用いる表現です。

外国からの観光客が多く訪れる観光地などで接客に携わる方々にとって本書が少しでもお役に立てることを願っています。

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