タイトルで失敗したかもしれない一冊
preclude, arrear, erudite, commensurate, haphazardly, 単語の意味、即答できますか?
だいぶ間が空いてしまいましたが、こちらのブログでしっかり本の魅力をお届けするエントリ第3弾は、ひょっとするとタイトル付けで失敗したかもしれないけど昨今の難しめの単語集の盛り上がりにぴったりかもしれない一冊、『新TOEIC® TEST必修1200語-スコア860レベル』です。
この本の紹介の前に、X(旧Twitter)での投稿を機に急速に注目を浴びている『最強の英語ボキャブラリー1700語』をご紹介いたします。
『最強の英語ボキャブラリー1700語』が注目を集めたのは、『IELTS ライティング徹底攻略』の著者である小谷先生のX(旧Twitterの投稿がきっかけでした。
珠玉+有料級の完全版??
— James(小谷延良)|IELTSと英語にすごく詳しい人?????? (@JKEnglish_ielts) October 14, 2023
[上級単語はこの2冊にしとけ?]
先週土曜日の投稿(固ツイ参照)が大変激しい反応があり、複数問い合わせもあったため、おすすめの上級単語帳2冊を紹介しておく。忖度なしで激しく書く… pic.twitter.com/XGD4pr2upt
直後から各オンライン書店の在庫が一斉に溶けてしまい、一週間以上経った今でもまだ完全には回復しきっていません。小谷先生の影響力おそるべし。
小谷先生のX(旧Twitter)での主題は「上級単語」でした。実はここ最近「上級単語」や「難しめの単語」を学ぶ教材が脚光を浴びています。ところが、今回ご紹介する『新TOEIC® TEST必修1200語-スコア860レベル』は、その「上級単語」「難関単語」という流れに完全に乗り損ねています。理由は明白で、「スコア860レベル」というタイトル付けです。
ご存知の方も多いと思いますが、TOEICでは長らくスコア860以上が上級の目安でした。この本が最初に刊行されたのは1999年です。社内のタイトル会議では「900点とか990点としたほうが上級レベルの単語集としてわかりやすいのでは」という意見も出ましたが、「860以上が目安なんだからそれでいきましょう」ということになりました。
制作直前の音声の録音現場ではネイティブのナレーターから「発音が分からない」と言われるぐらい難しい単語も多く、「やっぱりこれ、最上級とか難関とか990点とかにしたほうが……」という意見はくすぶり続けましたが、当初の予定通り「スコア860レベル」として刊行、最初の版は最終的に4刷18,000部という決して悪くない成績で終了しました。その後2006年に収録音声を増やしタイトルも『新TOEIC® TEST必修1200語-スコア860レベル』と変更、現在に至ります。ですが、こちらは2刷累計9,000部と渋めの数字で推移しています。
これの理由ですが、やっぱりタイトルが「スコア860レベル」というのがネックになっているのかなあと思いまして、こうして改めて皆様にお伝えしている次第です。TOEICはどちらかというと難関語彙はあまり使われないと言われてはいますが、900点突破や990点到達を目指す方であれば未知の単語はなるべく潰しておきたいはず。『新TOEIC® TEST必修1200語-スコア860レベル』はまさにそういう方にうってつけの単語集なんですが、タイトルが「860」なので、そういう方の眼中に入らないんですよ。990点やさらにそれを超えた高みを目指す皆さん、是非この単語集を見つけてください。心よりお願いいたします。

ISBN:978-4-87615-128-8
定価:本体価格1,800円+税

ISBN:978-4-87615-111-0
定価:本体価格2,000円+税