ベトナム語基本単語2000
定価:本体 1,750円+税
(税込定価: 1,890円)
ISBN978-4-87615-673-3
判型:新書判
240ページ
テキスト(音声別売)
入門~初級
1994年5月1日発売
別売音声:ISBN978-4-87615-540-8
(CD2枚 価格:本体 2,300円+税)
聴いて,話すための
シリーズ累計65万部突破のロングセラー。聴いて話すために必要な基本単語2000語を項目別に学習。発音と基本的な文型についても巻頭で解説。別売の音声教材はCD版のほか、インターネット経由でデータをダウンロードできるDL版(有料)もある。

はじめに

 ことばは文化の「窓」です。「窓」を大きく開けられるか開けられないかで、見えてくる文化の質も量も大いに異なります。「窓」を大きく開けるためにまず求められることは、素直な気持ちを持つことです。謙虚であることです。初めて耳にする音に素直に耳を傾け、謙虚な気持ちで子供のように模倣を繰り返し、「なぜ」の疑問をできるだけ抑えてひたすら暗記に努めることです。まずこれができなければことばの習得はあり得ません。

 次に、日本人独特の恥や外聞をきっぱり捨て去ることです。日本語にない音を発するためには口や顔が歪みます。口からツバが飛び散ることもあるでしょう。日本人にとっては随分耳障りな音もあります。しかし、そんなことを気にしていたら駄目です。間違いを恐れず、笑われても平然としてわが道を行くことです。

 お叱りを恐れず敢えて言えば、日本人は「一億総オンチ」、「一億総言語オンチ」です。日本語の音楽的要素の欠如と、音組織の乏しさに帰因するものと思います。ベトナム語のように複雑な音組織を持ち、かつ音楽的要素に富んだ言語の学習にとっては、これは実に致命的なことです。日本人特有の「ふんどし」を逆にできるだけゆるめて、未知の言語の習得に一生のほんの一部分を賭けてみましょう。

 ことばの「窓」が開くと同時に、こころの「窓」もパッと開く時が必ずややって来ます。

1994年4月
冨田健次
冨田健次

 長崎県出身。東京外国語大学卒業。東京教育大学文学部修士課程修了。現在,大阪大学教授。
 著書に『ベトナム語の基礎知識』(大学書林),訳書に『ホンダット洞窟の夜明け』(穂高書店)などがある。