
はじめに
本書は、3000という大量の単語を短期間で覚えるという離れ業を可能にする、まったく新しい単語集(フレーズ集)です。3000単語と言えば、通常の単語集を使えば、覚えるのに優に1年か2年はかかります。それを、最短なら10日、長くても1か月で覚えきる、というのが本書の掲げた目標です。
時間をかけずに大量の単語を身に付けたい。誰もがそう思っています。特に、TOEICやTOEFLといった高度な検定試験の受験者の場合、大量の単語を覚えていないと対処できないし、さりとて、覚えるのに時間をかけていると、いつまでたっても受験することができません。本書は、そんなジレンマに陥っている学習者に光明をもたらすために企画された「機能本位の単語集」なのです。
今、「機能性食品」が大ヒットしています。参考書も機能性を重視すべきだというのが、私の考えです。では、本書の機能は何かと言えば、(1)短期間に、(2)大量の単語をゲットする、この2点に尽きます。
そのための方法は単純です。単語ではなく《単語を含むフレーズ》をハイスピードでチェックしていく、というのが本書の戦略なのです。こうして、「3000フレーズ」をクリアしたら、「3000単語」をクリアしたものとみなします。目的を特化したら、このような割り切りも必要です。
ただし、一度チェックした単語は、後のフレーズの中で何度も出てくるように作られています。ですから、スピードチェックを進めるうちに、既出の単語の知識がどんどん強化されていきます。重要な語義が2つある単語は、別単語のフレーズの中で、2番目の語義にも遭遇するよう、できる限り工夫しました。だから、通常の単語集のように「語義暗記」ではなく、ひたすら「フレーズチェック」に集中できるのです。
暗記ではなくチェック。チェックに次ぐチェック。それが本書の唯一の学習法となります。方法・形式が単純なので、ゲーム感覚でどんどん進みます。しかし、得た知識は重層的に深められていくという仕掛けなのです。
限られた時間で大量の単語を覚える必要のある方が、本書を用いて見事に目標を達せられるよう、心から願っております。
短期間に3000単語、これは、通常の単語集では「ありえない企画」なのです。さあ、あなたも是非「3000単語の快挙」にチャレンジしてください!
1950年生まれ。英語教育研究家。早稲田大学文学部哲学科卒業。出版社で英語教材の開発などを手がけた後,独立。
著書に『英単語速習術』『英単語倍増術』(以上,ちくま新書),『英熟語速習術』(角川書店),『たった100単語の英会話』(青春出版社),『すごい言葉』(文春新書),『英語は動詞で生きている!』(集英社新書)など多数ある。