はじめに
いま、スペイン語を話そうとしているあなたへ:¡Bienvenido al mundo español!(スペイン語の世界へようこそ)
スペイン語はとても情熱的で聴いているだけでも元気になる言葉だと思います。文法のことはあまりに気しないことが早く話せるようになる秘訣です。
私が通っていたブエノスアイレス(アルゼンチン)のハイスクールの英語の先生は授業のときにこう言っていました。「発音は気にしなくていい。きみたちはいずれにしても英語のネイティブスピーカーではないのです。発音を気にしないで、まずは堂々と話すことが第一です。発音や文法は話しているうちに自然についてきます」
最近、この先生が言っていたことがどんなに大切科しばしば思い出し、ありがたいアドバイスだったと思います。結局、片言でも、多少間違えても、まずは話し始めるというハードルを超えることが大切です。そして、たくさんのアミーゴスをつくってください。アミーゴス(友達)やアミーガス(女友達)はとても親しみやすく、気が合えば会ったばかりでも30分後にはその人の人生やふだんの生活を大体は話してしまいます。何人兄妹なのか、何が好きなのか、ボーイフレンドと喧嘩中だとか、などです。(ただし、仕事の話はめったにありません)
私も日本に来た頃その習慣でぺらぺらと自分のことを話していたものでした。そしてある日、はっと気が付いたらかなりのひんしゅく?をかっていました。でも、フランクに心を開いて話ができるのはとてもすてきで大切なことではないかと今でも思っています。
今までまったくスペイン語を勉強したことのない人でも、「これはスペイン語で何と言うのだろう」と思ったときがチャンスです。手元に置いて手軽に使っていただける「日本語→スペイン語単語集」として、スペイン語の良き道先案内となってくれることと思います。
さあ、(スペイン語を)始めましょう:¡Empecemos!
本書の構成と使い方
本書は以下の2部構成になっています。
【第1章 スペイン語の基本】
この章では,スペイン語の発音と基本的な文字の仕組みについて解説してあります。スペイン語らしいスペイン語を話すために,そして第2章で紹介されている例文をより理解するためにも,さっと目を通しておくとよいでしょう。
【第2章 日本語から引くスペイン語】
この章では,日本語を手がかりにスペイン語を覚えていきます。左ページではスペイン語,右ページではそのスペイン語を使った例文が紹介されています。例文は日常会話でよく使われる表現,作文に応用できる表現を中心に紹介しました。
左ページで紹介されている単語のうち,名詞には男女で性別を表示してあります。スペイン語の名詞は性別とともに覚えるのが基本です。男性形を基本に女性形が作られる名詞も多いのですが,詳しくは辞書で参照するようにするといいでしょう。使いやすいと思う辞書をいつも手元に置いておくのも,スペイン語を身に付けるのに効果的です。
1949年,ブエノスアイレス(アルゼンチン)生まれ。ブエノスアイレス大学卒業後,1975年来日。スペイン・南米・日本を往復しつつ,スペイン語教育,翻訳に携わる。
著書に『スペイン語基本単語2000』(語研刊)がある。