
はじめに
今、大学生の間では第二外国語の履修科目として中国語が人気があると聞きます。また、趣味・教養のため、あるいは、対中国語圏とのビジネスを考えて中国語を勉強している方や、各種中国語検定の資格を取るために中国語を学んでいる方々も多くいることでしょう。どのようなきっかけにしても、中国語に興味を持った方々に、中国語を道具として中国語圏の方々とコミュニケーションすることの喜びを味わっていただけたら、という思いで本書を編みました。
本書の目的は、日常中国語会話の「必修フレーズ」を、実際に「聴く」「音読する」「書く」ことを通して身につけることにあります。ネイティブ・スピーカーの話す中国語を何度も聴いたり、実際に何度も声に出して言ってみることは、中国語を効率よく身につけるうえでとても大切なことです。本書ではさらに、みなさんが小学校のときに勉強したように、「書く」楽しみも味わうことができます。
学習の進め方は、まず、1)CDを聴きながら本文を何回も目をとおす、2)一つの表現を聴き終わったら音読する、3)本文を見ないでCDの音に続いて何回も繰り返して音読する、4)一つの表現の音声が始まるとほぼ同時にあとを追っかけて音読する、そして耳が慣れてきたら、5)声に出して読みながら「なぞり書き」をする構成になっています。
日本人は特に間違うことを気にする傾向が強い、と中国語を教えている先生方からよく聞きます。間違えることは恥ずかしいことではなく、間違えることで正しい言葉が身につくのだと考え方を変えてみましょう。一言でも二言でも、本書の中の言葉を使って、ぜひ中国語圏の方々との会話のキャッチボールをする楽しみを味わってみてください。さらに、中国語が楽しくなることでしょう。
本書がさらなる学習の基礎として読者の方々にお役に立てれば、これ以上うれしいことはありません。
中国江蘇省生まれ。北京第二外国語学院で日本語を習得。より一層の日本語の習得と法文学の勉強のため,愛媛大学法文学研究科入学。2007年,愛媛大学法文学研究科修士課程修了。在学中には堪能な日本語ときれいな中国語の発音を生かし,通訳と中国語教室で多くの学生やビジネスマンなどに中国語を教える。卒業後は地元愛媛県の企業で中国語を生かした業務に従事。
東京都文京区生まれ。語学書・実用書の編集・制作業務を得意とする編集プロダクション代表。語学書では,中国語を学ぶ入門者・初級者向けにわかりやすい本作りを心がけ,執筆(日本語),編集,校正者として活躍する。