※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
「何か新しいことを始めてみようか」―だれでもこう思うときがあるでしょう。「新しいこと」―なんともワクワクする言葉です。それは私たちを日常生活から引っぱり出し、私たちに今までまったく知らなかった世界を見せてくれるかもしれません。そしてもう一度、学校にあがった一年生が第一歩を踏み出すときのあの気分を味わうことができるのです。
「新しく始めること」の選択肢の一つとして外国語があります。外国語の勉強はいつでも、どこででも、だれでもやり始めることができます。もちろん、若い人のほうが多少記憶力は勝っているかもしれません。
しかし、倦(う)まず弛(たゆ)まず続けていきさえすれば、続ける限り進歩していくことができます。こう考えると、外国語学習というのはかなり万人向けの、だれにでもお勧めできることのようです。さらにもう一ついい点を挙げてみますと、古典語と呼ばれるものはさておき、さまざまな外国語は今もある国や地域の人々に使われているものなので、私たちは「学んだものを使う楽しみ」を味わうことができます。
私にとって御縁があり、今まで続けてきた外国語は中国語です。時には進歩していることが実感できず、「もう、いいや」とやめたくなったこともありました。しかしそれでも続けてきたのは、やはり一つには、中国語が非常に魅力的な言葉で、汲めども尽きぬ興味を感じることができたからです。そしてもう一つには、中国語を勉強してそれをちょっと使えるようになったおかげで、本当にたくさんの楽しい、そして面白い経験をすることができたからだと思います。そんな中国語と中国語を学ぶことについて、これからお話ししていきたいと思うのです。そして皆さんがこの本を読み終わったときには、「よーし、中国語を勉強するぞ!」と思っていただきたいし、かつてやりかけて挫折した方には、「もう一度チャレンジしてみるか。」と決意も新たにしていただけたら、と心から願っています。
目 次
1952年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。華南師範大学日本語学科講師を経て,現在,中央大学講師,実践女子大学講師,大東文化大学講師。
著書に,『中国語で短編小説を読もう!〜天下無賊』『中国語で短編小説を読もう!〜靴屋と市長』(以上,語研刊,共訳),『中国語検定4級 合格ガイドと直前模試』『中国語検定3級 合格ガイドと直前模試』(以上,語研刊,共著),『今日からはじめる中国語』『中国語会話「決まり文句」600』『香港・広東語会話「決まり文句」600』『基本チェック中国語の文法』(以上,語研刊),『砕けた瓦』(勉誠出版刊,訳)などがある。