
スコアUP戦略+テンプレート+語彙力UP)から,
「満点」めざして攻略トレーニング!
【本書の5大特長】
1.スピーキングテストの出題傾向と攻略法を完全公開。出題確率の高いテーマから順に効率よくトレーニング! 著者撮り下ろしの特典動画(5〜15分×6本)付き。
2.【満点解答例】【高得点解答例】のほか,自由自在に話すためのテンプレートや高得点ゲットのためのスピーチ表現リストも収録。論理明快に洗練された英語で発信できるようにトレーニング!
3.Part 1:【満点解答例】と【高得点取得のアドバイス】のほか,ワンランクUPのための有益な英語表現を収録。自分自身のこと,意見・考えを英語で論理的に話せるスキルが向上!
4.Part 2:【高得点解答例】と【高得点突破のためのアドバイス】のほか,出題テーマごとに【添削解答例】も収録。同じ内容のものでもスコアUPできる改善テクニックを伝授!
5.Part 3: トピックごとの【満点解答例】と「高得点取得攻略法」を収録。出題テーマとその関連トピックの背景知識を深めると同時に,スピーチの構成法をマスター!
プロローグ
IELTS のスピーキング指導を 25 年以上,英検1級のスピーキング指導を 40 年以上やってきましたが,ほとんどの日本人の英語のスピーキングは「遅い」「中身がつまらない」「ボキャ貧」「メリハリ無し」の 4 重苦でした。実際,「倍速」で話せばちょうどいい,もっとエジュテイニングに脚色できないのか,人生経験と知識はないのか,語彙表現力は 10 倍に上げてちょうどいいくらいだ,もっと感情を込めてドラマチックに話せないのかなどとよく思ったものです。そして,トレーニングをしないと 5.0 ~ 6.0,してもよくて 7.0 ぐらいしか行かないだろうなと思いながら,言語を操る「根本的な力」つまり,「コミュ力」が乏しく,これは根本から鍛え直さないとまずいなと思いました。確かに日常会話の短い掛け合いでは日本人も流ちょうになってきましたが,物語を作ったり,思索を巡らせて論理を組み立てて 1 人で長く話すとなると急に agility (being able to speak quickly andclearly) がなくなり,80WPM 以下にまでスピードダウンするケースが多々ありました。
まず,話すスピードですが,IELTS はイギリスの試験なので,そのネイティブがナチュラルと思えるスピード,つまり 150WPM が基調になります(次頁の表参照)。ただ,馴染みのあるトピックと試験で出題されるような馴染みのないトピックでは,話すスピードが 2 割(最悪の場合 3 割まで)ダウンするので,要求スピードの目安は 120WPM となります。ところが他言語で 1.5 割遅くなり,馴染みが少ないと 2割遅くなるので,もともと 180WPM で話せるノン・ネイティブの場合は,180 ×0.85 × 0.8 = 122WPM となって問題ないですが,世界で最もゆっくり話す日本人のように母国語でさえ遅い人は,110 × 0.85 × 0.8 = 75WPM となってしまいます。そこで中身のある話をするときでさえ,母国語で話すスピードを「1.5 倍速に習慣づける」必要があります。ただ焦って話して論理が乱れたりすることのないように「論理明快に速く」を母国語であってもトレーニングする必要があります。
次に,内容面,語彙面に関しては,IELTS スピーキングで最も重要な「人生哲学」トピックや難易度の高めの「社会問題」トピックについては,すぐに答えられるように頻出問題ぐらいは割とよい語彙表現を用いた回答を準備しておき,また,準備しなくてもテンプレートを用いて適当に答えられるように練習しておく必要があります。必要最低語彙レベルは,「スピーキング 3 千,ライティング 6 千,リスニング 9 千,リーディング 1.2 万語」となっていますが,3 千語水準(英検準 2 級レベル)では十分とは言えないため,高得点を狙うには,「発信型類語の使い分けトレーニング」によって,ライティングで必要な 6 千語水準(難関大学入試突破レベル:「わかる」にしても,understand, tell, know だけでなく,recognize, identify, notice, grasp, perceive,appreciate, realize, figure out, find out を使い分ける)の語彙と,生き生きした話にするためのイディオム力を養う必要があります。
国・地域 | 母国語WPM | 英語WPM |
---|---|---|
スペイン | 190 | 155 |
イタリア | 185 | 150 |
フランス | 180 | 150 |
インド | 170 | 160 |
アメリカ | 160 | 160 |
フィリピン | 160 | 165 |
オーストラリア | 155 | 155 |
トルコ | 150 | 130 |
ギリシャ | 150 | 130 |
イギリス | 150 | 150 |
オランダ | 145 | 145 |
ロシア | 140 | 120 |
中国 | 140 | 130 |
ドイツ | 140 | 140 |
フィンランド | 130 | 135 |
韓国 | 120 | 110 |
タイ | 115 | 100 |
インドネシア | 110 | 95 |
日本 | 110 | 95 |
そこで本書は,IELTS スピーキング問題対策の決定版として,「コンテンツ充実面」「論理構築面」「スコア UP 戦略面」「テンプレート面」「トピック分類別語彙表現力UP 面」といった 5 つの角度から,出題トピックの頻度の高いものから順に攻略トレーニングを行う,至れり尽くせりの内容となっています。故に本書を用いてしっかりトレーニングを行えば確実にスコア UP できると信じています。
最後に,本書の制作にあたり,惜しみない努力をしてくれたアスパイアスタッフの Michy里中氏(1 章執筆),永戸みず穂氏(2 章執筆),上田敏子氏(3 章執筆),北川らん氏(2 章執筆協力),川本美和氏(2 章執筆協力),西宮正太朗氏(1 章翻訳,3 章校正),および本書の刊行を可能にしてくださった(株)語研編集部の島袋一郎氏には,心から感謝の意を表したいと思います。それから何よりも,我々の努力の結晶である著書を愛読してくださる読者の皆さんには,心からお礼を申し上げます。それでは皆さん,明日に向かって英悟の道を
Let’s enjoy the process ! (陽は必ず昇る)