はじめに
本書は、国際ビジネスの第一線で活躍するために、最新のビジネス英語のコアとなる「語彙力」を身に付けたいという方を対象に編まれたものです。
英語を使うときに常に問題となるのはボキャブラリーです。「語彙力」の不足はなかなか解決しない英語学習上の課題といえるでしょう。アルファベット順に単語が並べられた単語帳を丸暗記することで、実際の会話に役立つ語彙力が身につくかどうかは大きな疑問です。
最近のボキャブラリー学習の研究からは、コンテクスト(会話の流れ)に沿った語彙学習が、ボキャブラリーの増強には効果があることがわかっています。本書では、人事(Personnel)関連の話題であれば、compensation(給与)、fringe benefit(福利厚生〔給付〕)、pension(年金)といった単語をカテゴリーの中で関連づけながら覚えていくという手法で、効率よくマスターできるように工夫しました。カテゴリーは「人事」のほか、販売活動(Sales)、カンファレンス(Conferences)、購買(Purchase)、経営・管理(Management)、オフィス・コミュニケーション(Office Communication)、財務・お金(Finance/Money)、出張(Business Trips)、サービス(Services)の9つに分類しました。
さまざまなビジネスシーンを扱ったスキットからは1,600語強(関連語含む)のボキャブラリーが、また、巻末資料【カテゴリー別ビジネス英語のキーワード】からは1,900語強のボキャブラリーが、本書をマスターすることによって増強できることになります。見出し語の日本語訳・関連語とも、ひとまとめにチェックしていきましょう。英語の語彙を「使える」形で身につけるには、読んで覚えるだけでなく、音のかたまりとして記憶に定着させることも必要です。別売の音声を活用して、実際に何度も声を出しながら学習することをおすすめします。
では、コンテクスト中心の手法による必須ボキャブラリーの学習をスタートしてみましょう。きっと効果が上がるはずです。