入門ロシア語の教科書
入門ロシア語の教科書ISBN9784876153978
徳永晴美:著+タチヤーナ・シプコーヴァ:[ロシア語校正]
定価:本体 3,000円+税
(税込定価: 3,300円)
ISBN978-4-87615-397-8
判型:A5判
336ページ
テキスト(音声ダウンロード)
2023年11月24日:発売
※本教材の感想を読者カードやレビューサイトにお寄せください。
無料音声ダウンロードページへ移動
入門ロシア語の教科書ページサンプル1
入門ロシア語の教科書ページサンプル2
入門ロシア語の教科書ページサンプル3
入門ロシア語の教科書ページサンプル4
入門ロシア語の教科書ページサンプル5
《困難を分割せよ》
意思の疎通を図るための道具としての「実践コミュニケーション文法」、「アクティブ・コミュニケーション」のツール。本書はそこをめざし、端正なロシア語を話すために不可欠な発音と文法の基礎知識を提示しつつ,実践で多用される発話や文に触れることでそれを支える文法の仕組みや枠組も整理されるようにつとめました。
音声は無料ダウンロードの他にスマホで扱いやすい「すぐ聴く音声」にも対応。
本教材に対応する音声データは、当Webサイトよりダウンロード可能です。ダウンロードした音声データはZIP形式で圧縮されています。音声ダウンロードに関しては以下のFAQもご覧ください。
音声ダウンロード・すぐ聴く音声 FAQ

※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。

はじめに

ある好事家いわく「外国語で一番大事なのは,トイレどこー? の尋ね方を覚えることだよ」と。それって,ロシア語では「グヂェー トゥアリェート=Где туалет?」ですけど。ウーン,一理ありそうですね…

たしかに,車の運転の仕方を教わろうとする人たちの大多数は,「ボンネットの下の構造はどうでも良いから,その説明は置いといて,はやく運転できるようになりたい」と思っているでしょう。外国語の運用能力と文法知識もそのような綱引きの対象になっている,と言えます。

つまり,外国語の文法を学ぶオベンキョウとしての「文法学」と,「実践コミュニケーション文法」との間には大きな差があります。前者が,いわば暗号解読・翻訳の手段であるのに対し,後者は意思の疎通を図るための道具と言えるでしょう。本書はその後者「アクティブ・コミュニケーション」のツールとして企画されました。

執筆に際しては,端正なロシア語を話すために不可欠な発音と文法の基礎知識を提示することを心がけました。つまり,実践で多用される発話や文を身につける過程で,それを支える文法の仕組みや枠組も整理されるようにつとめました。

王道無しとは言え,近道もどこかにあるはず。それをご一緒に探しに出かけましょう。ちなみに,17世紀のフランスの哲学者ルネ・デカルトは《困難を分割せよ》と教えています。「取り組む難問の1つ1つを,できるだけ多くの,しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること」の有用性を説いたものです。どんなに難しいことでも,それらを分割して攻略すれば目標は達成できる―まさに,金言ではありませんか。

このいささか異色な『入門ロシア語の教科書』の本作りは,語研編集部の西山美穂さんの足かけ7年に及ぶ(この間お子さんが二人誕生)辛抱強いサポートに恵まれました。また,外国人向けロシア語教授法の専門家タチヤーナ・シプコーヴァ先生(こちらも長男誕生)には本書全編校閲を引き受けていただき,さらに「ロシア語通訳協会」の同僚の野口福美,森田令子,清水陽子のみなさんによる細部にわたるチェックも得ました。ここに心からの,熱き謝意を表明させて頂きます。おかげで著作にすべての心血を注ぐことができました。

2022年なかば
徳永晴美

本書の7大特長

本書の特長は,ロシア語の発音を重視した点にあります。その上でコミュニケーションの実践文法の基本的特徴を学ぶのが本書の目的です。

  • まず導入編では,会話の土台である音,発音,イントネーションを正確に学ぶことを主眼にしました。同時に,挨拶,お礼,お詫び,名前を問うなどのパターン表現を詳しい文法解釈抜きで身につけていただきます。
    音声学習には付属の無料音声の内容を繰り返し聴き返すことをお勧めします。インプットでの理解を優先しつつアウトプット(反復発声)にも時間をかけるようにするのが効果的な学習方法です。短時間で,飽きがこない程度に継続しましょう。
    「インプット⇔アウトプット」の相乗効果を図って,かなり精密なフリガナ(ルビ)を振りました。ルビは導入編の11課まで振られています。しかし,ルビをそのまま読んでも,再現効果はさほど期待できません。ルビは音源を聴いた後に確認するための手段。聞き取った音声がどのようなものであったかを理解するために用いるくらいがよいでしょう。「まず原音の聞き取り→次にルビで確認」という順で実際のロシア語の音やリズムに慣れるようにしたいものです。
  • 続く本編では,おもに質疑応答(ダイアローグ)の積み重ねでロシア語の理解と記憶の効率化を目指します。
  • 学習内容は,「易→難」+「既知→未知」への過程を,いわば尺取り虫が螺旋階段を上って行くかのような構成になっています。
  • ロシア語習得において重要な「完了体と不完了体動詞」についての知識とその運用能力の基礎が早めに身につくような教材配分を心がけました。
  • さらに,外国語としてロシア語を学ぶ者にとって難関で,長期的な取り組みが求められる「移動の動詞」にも長い学習スパンと比較的多くの紙幅を割きました。
  • 次々と顔を出す重要ポイントについて学習者各人が積極的に本書と対話する可能性を残すために,色彩や線による装飾を極力控えめにしてみました。
  • 巻末付記の文法表も本書の特長の一つです。従来型の文法表体をかみ砕いて並び替え,それが視覚にうったえて記憶に定着しやすいような仕組みを提示したつもりです。これはМ. Н. Лебедеваを中心とする気鋭のロシア語教授法専門家の表示法に準じたもので,最小限の文法辞典としても役に立つでしょう。
徳永晴美

日露会議同時通訳者,上智大学外国語学部ロシア語学科元教授,朝日新聞客員。
福岡県立戸畑高等学校卒業後ソ連に留学。1970 年,ルムンバ大学(於モスクワ)歴史・文学部修士号(MA)取得終了。ソ連ロシア語国家試験A合格。
帰国後ソ連紙「トルード」,「ノーボスチ」通信社東京支局勤務。78 年よりフリー同時通訳者。80 年,初代ロシア語通訳協会会長就任。88 ~ 92 年,NHK・TV ロシア語講座講師。88 ~ 90 年,通訳ガイド国家試験・ロシア語試験委員会主任。92 ~ 95 年,朝日新聞モスクワ特派員。帰国後2002 年まで,朝日新聞東京本社の総合研究センター主任研究員。2002 ~ 12 年,上智大学教授。02 ~ 14 年,日本国外務省および駐日ロシア連邦大使館にて通訳特別研修講師。2018 年10 月~ 2019 年3 月末までNHK ラジオ「まいにちロシア語応用編」講師を勤める。
露語修士論文:『劇作家チェーホフの技巧(“カモメ”から“三人姉妹”へ)』。著書『実務のロシア語Ⅰ・Ⅱ』,『ロシア・CIS 南部の動乱ー岐路に立つプーチン政権』,『ロシア語通訳コミュニケーション教本』。他に『日常ロシア語会話ネイティブ表現』(監修),『ロシア語会話とっさのひとこと』(総監修),『ロシア語版 日本案内』(総監修)など。趣味はロシアのTV 討論番組をネットサーフィンすること。

タチヤーナ・シプコーヴァ

極東連邦大学卒:言語学専攻(専門:ロシア語教授法)。2013 年10 月来日。2016 〜 2017 年,上智大学外国語学部ロシア語学科非常勤講師。2017 年4 月〜 2017 年9 月,NHK ラジオ毎日ロシア語講座「声に出して覚えるロシア語」講師。2017 〜 2021 年,立教大学非常勤講師。2022 〜現在,大阪公立大学非常勤講師/ 4 月よりバイリンガルの子供向けにロシア語教室を開校。著書:『まいにちロシア語・応用編ー日本へようこそ!』

無料音声ダウンロードページへ移動
語研の公式ストアへのリンク