はじめに

本書は，実用フランス語技能検定試験3 級（以下，仏検3 級）合格に必要な語彙を習得することを目的としています。本書に掲載されている語彙はテーマごとに分類されているため，意味的なつながりを意識しながら単語の学習を進めることができるようになっています。また仏検3 級で新たに出題される文法事項については，本書の「おさえておきたい文法事項」で簡単に説明しています。

『仏検4 級レベル重要単語』では，フランス語学習において目指す目標として，「最も頻度の高い2000 語覚えること」をお話ししました。仏検5 級から3 級までの学習でおよそ1800 語の単語を学ぶことになりますので，あと少しで「2000語の壁」の向こう側が見えてきますね。この壁を越えれば，フランス語の成長をより一層実感できるのではないかと思います。

仏検3 級レベルに達してくると，語彙や文法知識が増え，今度は身の回りのことや自分の考えをフランス語で表現したくなる頃ではないでしょうか。仏検では，単語を目で見て，また耳で聞いて理解するための語彙知識が主に求められますが，これからは「語彙を使う」という意識を常に持ちながら学習に臨むことをおすすめします。それには，まずÀ tout à l'heure.（また後で）やAvecplaisir.（よろこんで）など日常でよく使われる提携表現をたくさん覚えることが重要です。もう一つ，ある単語が他のどのような単語と一緒に使われやすいかという語彙の組み合わせを覚えることも意識してみましょう。例えば，仏検4級レベルのtraverser（～を渡る，横切る）と一緒に使える名詞はいくつ言えますか。la rue（通り），la rivière（川），la ville（町），le pont（橋）などいくつもあります。このように，「フランス語（traverser）－日本語訳（～を渡る）」のリンクだけでなく，すでに覚えたフランス語の単語同士を頭の中でつなげておき（traverser－［la rue／la rivière／la ville ...］），すぐに使える状態にしておくこともフランス語運用能力を高めることにつながります。

最後になりましたが，フランス語のチェックを担当してくださったChloéVIATTE 先生には心から感謝申し上げます。的確なご指摘をいただき，仏検3級のレベルに適した良質な例文を提案してくださり大変勉強になりました。そして，今回も編集を担当いただいた宮崎喜子氏の根気強く精密な作業にはただただ感服するばかりでした。この場を借りて深く御礼申し上げます。