※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
インターネットの発達と携帯電話の普及により,メール,SNS,通話アプリなどによるコミュニケーションが現代社会の情報伝達の主流となっています。この流れは,グローバル化に伴い,国境を飛び越えたコミュニケーションにも大きく影響しています。気軽に送ることができ,瞬時にメッセージが届くそれらのメディアコミュニケーションは,ドイツ語を日常的に使う人々にも大きな恩恵を与えてくれています。
その一方で,手紙やカードなど,紙とペンを媒体として実際に書く機会は随分と減ってきました。しかし,それでもなお,完全になくなってしまったわけではありません。署名が必要な契約書や請求書は依然として原本を郵送で送らなければならないですし,お礼状やお悔やみ状は,書状やカードで郵送するのが望ましいです。パソコンやスマホでポチっとするだけでは何か物足りないと感じてしまう大事な場面でこそ,心のこもった手紙は相手により気持ちが届くことでしょう。
手紙であれメールであれ「文章を書く」ことは我々現代人にとって必要不可欠な能力であります。しかしながら,いざ書こうとすると「正しい書き方がわからない」「一応は書いてみたものの自信がない」「失礼な言い方になっていないか心配」などの悩みも多く出て来ると思います。それは,「手紙」や「メール」にある程度の形式やルールがあるためかもしれません。まして,それがドイツ語であれば尚更かと思います。
本書は,日本の慣習や日本人の発想を踏まえながらも,より自然なドイツ語でコミュニケーションを図るノウハウを具体的に紹介しています。「手紙」と「メール」の書き方に重点を置き,そのまま使える豊富な文例と,必要に応じてテンプレートに当てはめて使うことのできる「その他の表現」をご用意しました。
本書が「ドイツ語レター・E メール表現」を知る一助となり,皆様の効果的かつ効率的なドイツ語コミュニケーションのお役に立つことができれば幸いです。
高橋美香
Roman Dominik Rendler
麗澤大学ドイツ語学科を卒業。ドレスデン工科大学 応用言語学専攻。ドイツ語・日本語講師,翻訳家。
ドイツ語,日本語の講師として現地の様々な教育機関で指導の後,約10年のドイツ滞在を経て2010年に帰国,現在は語学学校やドイツ系企業にてドイツ語講師をする傍ら,渋谷外語学院の日本語講師としても教壇に立つ。
ドイツ,Baden Württemberg州Höchenschwand出身。ドイツ語講師,翻訳家。 ウィーン大学にて日本学の修士号取得 東京外国語大学,早稲田大学にてドイツ語講師アシスタントとして勤務 2013年より欧日協会ドイツ語ゼミナールにて初心者から上級者までさまざまなレベル・目的のクラスや個人レッスンを担当,子供クラスの指導にもあたっている。2014年に日本語能力試験1級取得。