通じる英語の発音エクササイズ
芝詩史:著
定価:本体 1,600円+税
(税込定価: 1,760円)
ISBN978-4-87615-249-0
判型:A5判
104ページ
CDブック(CD1枚)
2011年12月19日:発売
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早口言葉で耳と口を鍛える
わかりやすい発音のコツと段階的エクササイズで、楽しみながら発音筋をトレーニング。類似するふたつの音を対比させたり、性質の似た音をグループ分けして集中練習することで、日本人の苦手な英語の音を、効率よく、体系的に鍛えることができます。

※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。

はじめに

ネイティブスピーカーの発音と日本人の発音はどこがどのように違うのでしょうか。また、リスニングができる人はなぜ、あなたが聞き取れない音を理解できるのでしょう。多くの学習者にとって、発音とリスニングのレベルアップは謎が多く、常に手探りで、時間のかかるプロセスです。

そこで、発音のツボやリスニングのポイントをはっきりさせ、それらを集中してトレーニングする、というのが本書のねらいです。類似するふたつの音を対比、あるいは性質の似た音をグループ分けすることで、日本人の苦手な英語の音を効率よく体系的に練習できるのが特徴です。

本書に掲載している一連の単語や早口言葉は、ターゲットの音に自然と注意が向けられるようにできていますので、正しいクセを無理なく身につけながら、それらを新たな習慣として固めていくことが可能です。必須項目から見落としがちなポイントまでをひとつひとつマスターすることで、カタカナ英語や日本語英語がしっかりと矯正されるはずです。

口・舌・耳・頭を徹底的に刺激すると、英語が「何となくできない」ものから、よりはっきりとした対象に変わってくると思います。「聞こえる・言える音」と「聞こえない・言えない音」がはっきりすることで、レベルアップも暗中模索ではなくなり、トレーニングにもいっそう気持ちが入るというものです。

口慣らし程度のエクササイズから口も頭も混乱してくる早口言葉までを順次攻略していく過程で、耳慣れなかった英語の音が違和感なく聞こえ始め、だんだんと半無意識に聞き分け・発声ができるようになるという英語への適応を実感していただきたいと思います。

「外国語」だった英語と一体になっていくにつれて、通じない英語から脱却するとともに、日常会話・映画鑑賞・スピーチ・資格試験など実践の場面でも、英語がすんなりと耳に入り、口先から自然に本物の音が紡ぎだされる回数が増えていくことでしょう。

最後に、本書の企画から校正段階にいたるまで貴重な提言・助言を頂いた(株)語研編集部の田尻まど香氏、および早口言葉への建設的なアドバイスを頂いたPhilippaCollie氏に感謝申し上げます。

2011年12月
著者
はじめに
3
本書の使い方
6
I
日本語英語を矯正するための必須発音10項目
Unit 1[æ] vs [ʌ]
10
Unit 2[ə] vs [ɑ]([əːr ] vs [ɑːr ])
14
Unit 3[r] vs [l]
18
Unit 4[v] vs [b]
22
Unit 5[f] vs [h]
26
Unit 6[ʃ] vs [s]
30
Unit 7[θ] vs [s]
34
Unit 8[ð] vs [z] [d]
38
Unit 9[w] vs [u]
42
Unit 10[ɔː] vs [ou]
46
II
カタカナ英語を忘れるための発音10項目
Unit 11[b] [p] [g] [k] vs「 ブ」「プ」「グ」「ク」
52
Unit 12[d] [t] vs「ド」「ト」
54
Unit 13[m] [n] vs「ム」「ン」
56
Unit 14軽く発音される[ə ]
58
Unit 15[ks] [kw] vs「カタカナ表現」
60
Unit 16T + 子音([tl],[tr],[tw])
62
Unit 17S + 子音([sk],[sl],[sm],[sn],[sp],[sw])
64
Unit 18子音 + T([ft],[lt],[kt],[nt],[pt],[st])
66
Unit 19子音 + R([br],[dr],[fr],[gr],[kr],[pr],[tr])
68
Unit 20子音 + L([bl],[dl],[fl],[gl],[kl],[pl])
70
III
さらに上を目指す人のための発音5項目
Unit 21[ɔːr ] [əːr ] [ɑːr ]
74
Unit 22[ʒ] vs [dʒ]
76
Unit 23[θs] [sθ] [dθ] vs [θ]
78
Unit 24[ŋ] vs [ŋg]
80
Unit 25[j] vs [i] [e]
84
IV
英語脳をもっと刺激するための上級早口言葉
Unit 26[æ] [ʌ] [ə] [ɑ] その他
88
Unit 27[r] [l] [v] [b] その他
90
Unit 28[f] [h] [ʃ] [θ] [s] [ð] [d] その他
92
Unit 29[w] [ɔː] [ou] [dʒ] [ʒ] その他
94
Unit 30有名な早口言葉
96


発音の早見チャート
99
コラム:
英語国際性
25
英語の発音とカタカナ表記
50
シャドーイングでスピーキングのトレーニング
72
耳から覚える母国語と活字から学ぶ外国語
83
英語を外国語として勉強する人へ
98

本書の使い方

きれいな英語の発音をものにし,リスニング力をアップさせるには,頭で理解するより英語の音を実際に口に出してみるのが一番です。そこで,「習うより慣れろ」というねらいから,本書はエクササイズ感覚の発音練習に重点を置いています。 Level 1 から Level 4 の英語の単語・文には CD の発音サンプルが付いていますので,実践的にトレーニングができます。

・ Level 1:ターゲットの音を発音(Unit 1 ~ 25)

ターゲットの音に自然と注意が向けられるように,韻を踏んだ単語がひとまとまりになっています。4 つの単語を連続して発音することで,まずは英語の音に慣れていきましょう。

例)plan – blank – lack – black([æ] の発音)

・ Level 2:類似の 2 音を交互に発音(Unit 1 ~ 25)

対比される音を含んだ 2 つの単語を発音します。対になっている単語は,ターゲットの音以外は同じ(あるいは類似の) 発音ですので,発音のポイントに自然と集中できるはずです。

例)fan – fun, damp – dump([æ] と [ʌ] の区別)

・ Level 3:早口言葉(Unit 1 ~ 25)

Level 1 と Level 2 で音に慣れたら,ターゲットの音がややランダムに出てくる早口言葉に挑戦です。正確に発音することが第一なので,まずはゆっくり・はっきりと発音しましょう。正確にできるようになったら,文をくり返したり,スピードアップにもチャレンジしてください。

例)Harry hurried to the flat hut.
([æ] と [ʌ] の区別)

これらの発音エクササイズのうち Level 1 から Level 3 までは, の合計25 の各 Unit に収められています。ここでのねらいは,類似の音を聞き比べ・言い比べることで,気づきにくい日本語英語・カタカナ英語を矯正することです。

・ Level 4:やや難しい早口言葉(Unit 26 ~ 29)

発音のポイントを個別にマスターしたら,少しレベルアップした早口言葉に挑戦することで,応用力をさらに鍛えることができます。

例)Kelly carried Carly’s curry.([r]‐[l],[æ]‐[a]‐[ʌ] の区別)

Level 4 の発音エクササイズは,IV に登場します。発音の仕上げにあたるこれらの早口言葉は,複数の発音ポイントが同時に出てくるので言いにくさも倍増ですが, の該当セクションと行き来することで,完璧を目指してください。実際の日常会話で Level 3 あるいは Level 4 のような音のつながりはそうそうありませんから,本書で鍛えておけば,日常一般でのスピーキングの発音は簡単に感じられるはずです。また同時に,類似の音をしっかり区別して理解するリスニング力もアップするはずです。

Level 1 から Level 4 の発音練習に使われている単語は,発音練習という目的で取り上げているカタカナ英語や少数の難語を除き,日常会話でよく使われるものや TOEICや TOEFL などのテストで頻出するものから厳選されています。なお,本書の早口言葉は Unit 30 の有名なものを除いて,すべて日本人の発音練習のために作られたオリジナルです。

エクササイズの単語と早口言葉はすべて付属の CD に収録されています。早口言葉のスピードは 2 通りで,ゆっくりバージョンに続いて早いバージョンが流れます。音声を利用したトレーニングは,レベルに合わせて色々と工夫してみてください。テキストを見ながら,リスニング・シャドーイング(CD と同時に発音)・リピート。あるいは,テキストなしで,リスニング・シャドーイング・リピート,といった具合です。本書の説明では,発音記号を示すときは [  ],日本語での音の表記などには「  」,とカッコを使い分けています。

芝詩史

 愛知県出身。同志社大学・大学院卒業後,ロータリー財団からの奨学金を機にニュージーランドに留学。ヴィクトリア大学よりPhD取得(行政学)。卒業後は,現地NPOへのウェブサイト支援,フリーランスの翻訳などと並行し,本書の契機となったenglishtwist.comなど複数のサイトを運営。長期に渡る海外生活や大学院での研究,英語でのスピーチ活動などを通じて培った英語上達にかんする洞察を,「大人になってからの英語のマスター」という視点からわかりやすく解説することに興味を持つ。