※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
グローバリゼーションが進み,スピードの求められる現代社会。会って話したり,電話やFAX でやりとりをしたりする代わりに,「E メールによるコミュニケーション」が主流となり,多くの人にとって「文章を書くこと」が必須となりました。
同じ「書く」でも,「手紙」はE メールの普及により廃れていきました。が,それでも完全に消えてなくならないのは,しかるべき場面において,「手紙」にしか果たせない重要な役割を持つからです。「手紙」の方が作成に手間がかかる分,心がこもっていると捉えられます。フランスでも,同様です。主にビジネスで扱われる重要な事柄については,形に残しておける「手紙」がコミュニケーションツールとして用いられます。
「手紙」や「E メール」を「書く」ことは,互いの表情や声色に頼ることができませんので,文章力が必要になります。本書は,「手紙」と「E メール」の特性を尊重しながら,そのままご使用いただける表現を,シチュエーションごとにご紹介いたしました。また,必要に応じてテンプレートに当てはめてお使いいただけるよう,「その他の表現」を各種ご用意いたしました。
本書によって,文章によるフランス語のコミュニケーションが,皆様に身近に感じていただけるよう,お役に立てることができればこの上なく幸いです。最後になりましたが,編集の細部にまでお目を通してくださり,いつも温かく励ましてくださいました語研編集部の西山美穂様に,謝辞を申し上げます。
Romain Bocquillon
フランス語講師・翻訳者。上智大学外国語学部フランス語学科卒業,言語学音声学副専攻。ベトナムでの旅行業界を経て,エフィ・フランス語教室,ECC外語学院等でフランス語講師を務める。『使える・話せる・フランス語表現』(語研)著者。『モロッコで出会った街角レシピ STREET FOOD MOROCCO』(口尾麻美著,グ ラフィック社)のフランス語指導,音楽ユニットの発音指導などにも携わる。
フランス語講師。フランス北部アラス出身,ソルボンヌ大学修了。モンペリエ,パリ,リルなど,フランス北部から南部に渡って学生時代を過ごす。カナダに1年,オーストラリアに1年という滞在経験を経て,2008年に来日。横浜エフィ・フランス語教室,神奈川県立高校などで教鞭を執る。『使える・話せる・フランス語表現』の検閲,教材制作などにも携わる。