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はじめに
1600年4月29日にオランダ商船リーフデ号が大分県の黒島に漂着して以来、日本人はオランダ語と長い関わりをもっています。江戸時代、長崎の出島で通詞たちが学んだのはもっぱらオランダ語でした。明治維新以後、英語にその位置を譲りましたが、ビール(bier)、シロップ(siroop)、マドロス(matroos)、リュックサック(rugzak)など、いまでも私たちの日常生活に溶けこんでいるオランダ語は、意外にたくさんあります。そのほかにも、鼓膜(trommel-vlies:鼓-膜)、引力(aantrekkings-kracht:引く-力)、植民(volks-planting:人民-植える)などは、オランダ語を漢字に直訳してできた日本語です。こうした経緯でできたことばも、いまだに数多く残っており、それと知らずに使われているのです。
ベルギーのフランデル地方を含むオランダ語圏では、大半が海面より低い国土を水害から守るために、昔からたゆまぬ努力を続けてきました。オランダといえばまず思い浮かぶ運河も、国土を守るための彼らのはかりしれない闘いの産物だといえます。そのためか、オランダ語の響きには、強い底力が感じられます。
日本にとって西洋文明の窓口となり、大きな影響を与えた国、オランダの文化と国柄にふれるためにこの本を役立てていただければさいわいです。
構成と使い方
特徴どのページも、開いたところがひとまとまりの単位です。好きなところから単語を覚えていくもよし、また、初めてオランダ語にふれる方は、順に2ページずつ覚えていくとステップをふんだ学習ができます。
本文第1章はオランダ語の発音を、実際に使う単語で覚えます。基礎的な文法についても解説しました。第2章と第3章が会話に使う単語です。すべて耳で聴き、口で話すことばで、使用される場面および意味としての覚えやすさを考慮して分類しています。
使い方左のページにあげた単語や解説を、右ページで練習しながら暗記します。各項にチェック用の□がついています。書きこみながら練習して覚えます。
本書でオランダ語を学ぶには、オランダで育ったラクリツト・ブイエさんの吹込みによる別売CDを活用されるといっそう効果的です。
まずオランダ語が、続いて日本語が読みあげられます。
本書の全単語が収録されています。
また、別売CD収録の音声はすべて、インターネットからのダウンロード販売も行っております。詳しくは、弊社のホームページにアクセスしてください。
CD収録時間
Disc1:69分34秒/Disc2:68分秒47秒
1946年生まれ。1969年金沢美術大学卒業。1972年オランダに渡り,1979年レイデン大学東洋言語学科および社会経済史学科修士課程修了。在学中より,オランダ全国紙で東洋の社会経済についてのコラムを執筆。
現在,ロッテルダム経済経営大学講師(国際マネジメント担当)を務めるかたわら,JCEP(コーディネート事務所)代表,フリーライター,日本語−オランダ語公認通訳など多方面に活躍中。