別売音声教材はダウンロード版(有料)のご利用が便利です。
はじめに
フィリピンと日本はここ数年さまざまなレベルでの国際交流が深まってきている感があるが、国語フィリピノ語をはじめ、数多くある言語のことは我が国ではまだあまり知られていない。学習しようにも適切な文法書、テキスト、辞書もほとんどない状態である。一方義務教育レベルでの国語教育の拡充や、ナショナリズムの高揚もあり、フィリピン国内における共通語としてのフィリピン語の普及は著しいものがある。70年代までは英語で表されていたもの、政治思想や社会科学関係の単語までもがどんどんフィリピノ語にとって変えられている。 本書は、基本単語集であるが、従来の基礎単語といわれているものに加え、今日のフィリピンの社会状況や文化を表しているような単語、例文を積極的に取り入れた。また、第1章では日本人にはなじみの薄い文法事項のいくつかを説明することにより、その少しばかり複雑な言語構造が少しでもかいま見られるようにしたつもりである。
本書の単語、例文の選択にあたっては、友人のリース・カセルさんと共に編集したが、同じく友人で国立フィリピン大学社会学科准教授のチェリー・ピケロさんからも有益な助言をいただいた。本書がフィリピン・フィリピノ語に興味ある方々に少しでもお役に立てば幸いである。
構成と使い方
特徴開いたところがひとまとまりの単位です。好きなところから単語を覚えていくもよし,また,初めてフィリピン語にふれる方は,順に2ページずつ覚えていくとステップをふんだ学習ができます。
本文第1章はフィリピン語の文法,第2章が,会話に使う単語です。すべて耳で聴き,口で話すことばで,使用される場面および意味としての覚えやすさを考慮して分類しています。
使い方左のページにあげた単語や解説を,右ページで練習しながら暗記します。各項にチェック用の□がついています。書きこみながら練習して覚えます。
本書の学習には,著書のひとりであるフィリピン人のリース・カセルさんの吹込みによる別売CDを活用されるといっそう効果的です
まずフィリピン語が,続いて日本語が読みあげられます。本書の全単語が収録されています。
また,別売CD収録の音声はすべて,インターネットからのダウンロード販売も行っております。詳しくは,弊社のホームページにアクセスしてください。
CD収録時間
Disc1:58分27秒/Disc2:58分17秒
横浜生まれ。東京外国語大学インドシナ科卒業。国立フィリピン大学言語学科修士号取得,博士課程中退。主な著書に,『フィリピン短編小説珠玉選②』(井村文化事業社),『実用フィリピノ語会話』『ピリピノ語会話練習帳』,イロカノ語/セブアノ語/ヒリガイノン語/ビコール語/ワライ語/パンパンガ語/タウスグ語 各『会話練習帳』(大学書林)がある。大阪外国語大学ほかで教える。
マニラ生まれ。国立フィリピン大学言語学科卒業。国立フィリピン大学言語学科修士号取得。文部省留学生として来日し,筑波大学大学院で研究する。著書に『イロカノ語会話練習帳』『実用フィリピノ語会話』(共著)がある。上智大学ほかで教える。